Misakiの曼荼羅ブログ

人間と自然、日本と世界、地球と地域、女と男などの臨界点を見据えながら、日々の出来事を綴るブログ

曼荼羅の中心には女性がいる

こんにちは、美咲です。

このブログのタイトルが「美咲の曼荼羅ブログ」とあるので、おそらく美咲さんは仏教徒空海ファンなのかという印象を受けた方がいらっしゃるかもしれません。まぁ、違います。空海は好きですが、仏教徒ではないです。で、いつになったら南方曼荼羅について話すの?と突っ込まれるかとヒヤヒヤしておりますが、その前に今日はそもそも曼荼羅(マンダラ)とは何か考えてみたいと思います。

曼荼羅は全宇宙、全世界を表す

実は、曼荼羅という文字には特に意味はないです。”曼荼羅”は当て字で、サンスクリット語のmandalaの音写したものです。本来の意味は”本質、中心、精髄などを持つもの”を表し、仏教では、仏の悟りとその世界を意味します。

バラモン教ヒンズー教仏教ジャイナ教には宇宙の見方には共通するものがあるそうです。それが”須弥山”という考え方です。”須弥山”とは宇宙の中心にそびえている巨大な山のことです。高野山(こうやさん)名誉教授の松長有慶氏によると、チベットや日本などの大乗仏教の国になると”須弥山”を上から見るという視点が登場し、それが後に曼荼羅に結集するのです。したがって、曼荼羅は全宇宙、全世界を表すものと考えられたのだそうです。*1

ということで、”曼荼羅ブログ”と名付けたのは、女性で普通の日常人であるわたし自身の宇宙観・世界観を書き綴っておきたかったのですね。どんな人にも宇宙観はあるということです。わたしは特に家族に社会的弱者を抱えていますから、弱者の視点から見た世界や社会の展開も述べていきます。

”宇宙の根源のエネルギーは女性”

興味深いことに松長有慶先生は、「宇宙の根源のエネルギーは女性」とのべておられます。*2なかなかショッキングなことばでしょう。「宇宙の根源のエネルギーは女性」と、高野山の大僧正であられる松長先生がおっしゃっているのですから(笑)。これはいったいどういうことでしょうか!

つまり、曼荼羅の中心の仏様を古代のインドの聖典ではすべて女性形で記載していたそうなのです。しかし中国に渡ったときに変化を受けた。中国社会はご存知のように男尊女卑ですから、仏様を女性形で書くのに抵抗があり、すべて男性形に変えてしまったのだそうです。これが日本に渡ってきた。ですから日本の曼荼羅は偽物に近いと松長先生はおっしゃいます。高野山が西北インドのラダックに学術調査隊を送って金剛界マンダラ原形に近いものを見つけたのだそうですが、そのなかには大日如来以下の仏様が乳房をもっていたので、これらから古代インド人の考えは世界の中心は女性であるというのが仏教にも取り入れられたことが分かります。

ヒンズー文化では女性的な原理が宇宙の中心だと考えられたそうです。破滅の神、シヴァの妻・ドゥルガーは怒りの神、それも強烈な怒りと破壊の神です。これをシャクティと言うそうです。シャクティには、二つの意味があります。一つはエネルギー。もう一つは女性という意味です。ですから宇宙の根源のエネルギーを女性だとする考え方はヒンズーの中にあるのだそうです。

さらに、現実世界の出来事で、たとえば芽がでて、実り、枯れたり、天候が変わったり、雨が降ったり、嵐が来たり、そのような世界の動きはすべてシャクティの働きなのだそうです。

ですから現在でもヒンズー教では女神は絶対信仰の対象になっています。ですから女神の機嫌をそこなうといろいろな不幸がおこってくると考えられ、この傾向がまだ支配的なのです。松長有慶 G-TEN  ぢてん 57号 「心の宇宙・宇宙の心」』天理やまと文化会議

 

http://www.k5.dion.ne.jp/~dakini/tenjiku/zukan/images/img_kami/kali_05.jpg

 

怒りの女神 画像引用:

http://www.k5.dion.ne.jp/~dakini/tenjiku/zukan/devi.html

 

美しい女神にシャクティという宇宙の力が満ち溢れているのですね。強烈な怒りと破壊の神なんですね。もちろん、わたしは夫に優しいです!嘘!

曼荼羅には多くの種類があり、日本には胎蔵曼荼羅金剛界曼荼羅が伝わったそうです。これらについては、また今度お話します。

では、またねー♪

*1:1『G-TEN  ぢてん 57号 「心の宇宙・宇宙の心」』天理やまと文化会議 p71

*2:2G-TEN  ぢてん 57号 「心の宇宙・宇宙の心」』天理やまと文化会議 p72)